読んだ本を紹介するブログ

ネタバレしない範囲で小説、漫画の感想を載せていきたいブログ。閲覧に注意の必要な内容は続き以降に書いてます。

『十二大戦』 西尾維新

ブログに最初にのっけるのがこれってもうどこまでも真面目ぶれないんだな自分と思わざるを得ない。いや別に西尾維新が真面目でないということはないんだろうけども。

でも近々に呼んだ本といえばこれなので記憶が新しいうちに。

 

ヤングジャンプでの読み切り『どうしても叶えたいたったひとつの願いと割とそうでもない99の願い』(漫画:中村光)の前日譚。漫画はコミックス『大斬ーオオギリー』に収録されています。

西尾維新原作の短編漫画集が大判で800円+税?買うっきゃねーな!」って方はぜひ漫画から。漫画読んでたほうがより楽しめ、さらにいうなら漫画は小説読む前のほうが楽しめます。ほんと。

 

西尾維新お得意の異能バトルもの。

干支十二家という家の戦士たちが十二年に一度集まって行われる十二大戦。勝ち残った一人はどんな願いでも叶える権利を手に入れる、その十二大戦が話の舞台です。

 

十二人も登場人物がいるので一戦一戦は結構短め。物足りないといえばそうなんですがさらっと面白く読める作品です。

それぞれの能力とその見せ方は皆さんお察しの通り、さすが読者を騙す気満々だよね西尾!という感じ。

(西尾先生の話を読むときに科学がどうたらということは気にしてはいけない、いいね?)

 

内容の自体は、なんというか「強いことが幸せとは限らない」「残虐な行いをする人間が人を愛してないかというと必ずしもそうではない」ってわりと西尾先生の作品によく含まれている要素だと思うんですけど、そこが割と強く出ている作品かなと思います。(それと同じくらい「どんな人間でも何をするかわからない」とか「強者に弱さがない訳ではない」っていうのも多いけど)

特殊な戦士たちの異常性ではなく通常性?にスポットが当たってる作品かなと。特に扉絵裏の人物紹介とか。

 

表紙は中村光先生でそちらのファンの方が買うこともあるのかなー。基本扉絵に表紙と同じイラストで一人ずつでてくるだけなんですが、よくよく見ると細部は手直しされていたり、そもそも漫画と全然デザインちげえじゃねーか!となったり楽しいです。個人的に卯の戦士のあの衣装はどこまで西尾先生の指定でどこから中村先生のアイデアなのかしりたい。とても。

 

キャラ萌えするもよし、切ない気持ちになるもよし、仲村先生のイラストを愛でるもよし。

西尾維新ファンから初心者(?)までおすすめできる作品でした。

 

 

 

しかしこんな人たちが各国で活躍してるっていったいどんな世界になってるんだ…

 

 

 

 

以下視点が腐る&ネタバレ注意

 

問1.ハードブック250P中絡みといえる絡みがたった4行(しかも片方の話の中で出てきただけ)の組み合わせにはまってしまった時の私の心境を10文字以内で述べよ。

 

憂城の願いが「お友達がほしい」だったところでまずくらっときて、最終章で寝住くんから互恵関係を結んだこともあったと聞いたあの時ですよ!いい加減マイナーどころか自分以外のファンが未確認飛行物体レベルのカップリングにはまるのやめたい。

いや今回は西尾作品なだけまだましなのかなあ…普通の小説だと本当に絶望するもの。

 

寝住くんの能力と合わせてかなりクリーンヒットな組み合わせなんですよね。憂城と協力した分岐の中で結局二人とも負けてしまって、初めての生きた『お友達』を死なせてしまうことを後悔する憂城と、それに少し心を動かされながらも自分はこの分岐を選ばないことを確信している寝住くんがせめても最後まで友達としてふるまうなんてことがあったんじゃないかなっておもったら、もうね。(ゲンドウのポーズ)

まあ実際うさぎさん結構イイ性格してたっぽいからどうかはわかりませんが。でも寝住くんは砂粒さんや迂々真さんに対する態度を見てるとあながちまちがってない気もする。